2011年08月01日-3
10年度国税の滞納残高は12年連続で減少~国税庁

 今年3月末時点での法人税や消費税など国税の滞納残高が、前年度に比べ5.0%減の1兆4201億円となり、1999年度以降12年連続で減少したことが、国税庁が7月27日に発表した2010年度租税滞納状況でわかった。新規発生滞納額は前年度に比べ8.6%減の6836億円と減少し、整理済額は同5.8%減の7591億円と減少したものの、新規発生滞納額を上回ったため、滞納残高も減少した。

 今年3月までの1年間(2010年度)に発生した新規滞納額は、もっとも新規滞納発生額の多かった1992年度(1兆8903億円)の約36%まで減少した。また、2010年度の滞納発生割合(新規発生滞納額/徴収決定済額)は1.6%と前年度を0.2ポイント下回った。滞納発生割合は、2004年度以降、7年連続で2%を下回り、低い水準を維持。この結果、滞納残高はピークの1998年度(2兆8149億円)の約50%まで減少している。

 税目別にみると、消費税は、新規発生滞納額が前年度比9.2%減の3398億円と2年連続で減少したが、税目別では6年連続で最多となっている。一方で、整理済額が3561億円と上回ったため、滞納残高は3.7%減の4256億円と、11年連続で減少した。法人税も、新規発生滞納額は同4.6%減の1025億円と2年連続で減少し、整理済額が1182億円と上回ったため、滞納残高も7.9%減の1843億円と3年連続で減少した。

 国税庁は、(1)新規滞納に関しては、全国の国税局(所)に設置している「集中電話催告センター室」での整理、(2)処理の進展が図られない滞納案件については、差押債権取立訴訟や詐害行為取消訴訟といった国が原告となって訴訟を提起して整理、(3)財産を隠ぺいして滞納処分を免れる案件については、国税徴収法の「滞納処分免脱罪」による告発で整理することで、効果的・効率的に処理している。

 こうした新規滞納の未然防止、大口・悪質事案や処理困難事案を中心に厳正・適格な滞納整理を実施したことで、今年3月末時点での全税目合計の滞納残高は、前年度を5.0%下回る1兆4201億円となり、12年連続で減少したわけだ。滞納残高が1兆5千億円を下回ったのは、1990年度以来19年ぶりとなった2009年度に引き続き2年連続となった。

 同租税滞納状況の詳細は↓
 http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2011/sozei_taino/index.htm

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