2011年07月27日-2
受取配当等の二重課税の排除を要望~損保協会

 損害保険協会はこのほど、2012年度税制改正要望をまとめ公表した。重点要望項目として、受取配当等に係る二重課税を排除するため、受取配当等の益金不算入制度において、連結法人株式等、完全子法人株式等及び関係法人株式等のいずれにも該当しない株式等に係る益金不算入割合を引き上げること(50%→100%)を掲げている。現行税制は、益金不算入割合が2002年度から50%となっている。

 法人が受け取る株式等の配当金(受取配当)は、配当元の法人で既に法人税が課されているため、「二重課税の排除」を目的とした「受取配当等の益金不算入制度」の仕組みが設けられている。しかし、2002年度改正で、連結納税制度導入に伴う財源措置の一つとして縮減が行われ、負債利子控除の対象外だった特定利子制度が廃止されるとともに、益金不算入割合が80%から50%に引き下げられており、早急な是正を求めている。

 また、消費税関係で、控除対象外の仕入税額負担を軽減するための見直しを要望。例えば、損害保険の保険料には消費税等が課されていないが、損保会社が支払う物件費や諸手数料等には、消費税等が課されている。損保会社が支払う消費税等の大半は、仕入税額控除の対象とならないため、損保会社の負担となり、結果として損害保険料に転嫁せざるを得なくなり、一般事業会社の原価となるため、税の累積の問題が発生するとしている。

 このほか、(1)既に収入金額を課税標準(100%外形標準課税)としている損害保険業に係る法人事業税について、現行課税方式を継続すること、(2)確定拠出年金に係る特別法人税を撤廃すること、(3)損害保険業の減額更正等による法人事業税の更正の請求に対し、納付日の翌日から還付加算金を付加すること、完全支配関係のある会社への配当金に対する源泉徴収を廃止すること、などを要望している

 同税制改正要望の詳細は↓
 http://www.sonpo.or.jp/news/file/00591.pdf

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