2011年07月25日-2
信託協会、特定寄附信託の拡充措置など要望

 信託協会はこのほど、2012年度税制改正要望をまとめた。デフレ経済の継続や少子・高齢化の進行に伴い、社会保障をはじめ国民生活に直結する様々な課題を抱えており、経済の活性化とともに、将来への不安を払拭し安心して暮らせる社会の実現が求められている。このようななか、東日本大震災に対し、被災された人々への支援や被災地域復興のため、国、民間を挙げてさまざまな取組みがなされているとの認識を示した。

 その上で、同協会では、震災復興支援に資する信託スキームの活用について要望に盛り込んだ。2012年度の税制改正にあたり、これらの復興支援に向けた信託活用のための税制措置として、(1)国や地方自治体による国・公有地の土地信託に係る登録免許税・固定資産税・不動産取得税等を非課税とすること、(2)特定寄附信託(日本版プランド・ギビング信託)制度について、所要の拡充措置を講じること、を要望している。

 また、被災地復興に向けたファイナンスに伴い活用される担保権信託(セキュリティ・トラスト)における、抵当権等の信託登記及び登録に係る登録免許税を非課税とすることも求めた。このほか、企業年金及び確定拠出年金等は国民の老後生活の維持・安定を図る上で大きな役割を担っており、本格的な少子高齢社会を迎えるなか、その役割がますます高まっていることから、その積立金に係る特別法人税の撤廃、などを重点要望としている。

 信託関係では、信託受益権が質的に分割された受益者等課税信託の課税関係を明確化する観点から、所要の税制措置を講じる、株式の信託を利用した事業承継について、納税猶予制度の適用対象とする、受益者連続型信託の課税の特例の適用対象を見直す、震災復興・再生に関連する新発国債等を、一定期間保有することを条件として子や孫に贈与するために設定された他益信託について、贈与税額計算の特例措置を講じる、などを要望している。

 同税制改正要望事項は↓
 http://www.shintaku-kyokai.or.jp/data/pdf/z24.pdf

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