2011年07月21日-4
震災復興関連で新規税制改正要望が11項目~大商

 大阪商工会議所は19日、2012年度税制改正要望を公表した。最優先すべきは、震災からの早期の震災復興に向けた被災事業所支援で、税体系全体を見直し、経済活力増進に主眼を置いた成長志向型税制を構築することが肝要としている。要望は、(1)震災からの早期復興支援税制、(2)国内産業の空洞化抑止と力強い経済成長の実現に向けた法人税改革、(3)地域経済を牽引する中小企業の活力増進、を柱に新規要望11項目を掲げている

 まず、被災者雇用の促進に向けた税制措置の拡充として、被災者の生活基盤の安定を図るため、雇用促進税制について、被災地出身者を雇用した場合、1人目から控除対象とするとともに、控除割合の上乗せを要望。また、中小法人については、赤字法人でも活用できるよう法人税の繰戻し還付期間の大幅延長(現行:1年)や社会保険料との相殺を認めるなど、被災者雇用に関する措置の拡充を求めている。

 次に、原発事故に伴う輸出損害に対する措置として、輸出品の放射線量の測定費用など諸外国による通関規制強化に伴う費用や、輸出の取消し・延期などによる損失額の一定割合を税額控除する制度の創設や、全国的な電力不足が本格復興・再成長への大きな足かせとなっており、稼働率の低下など設備本来の能力が制限されるケースも考えられることから、節電割合に応じた償却資産に係る固定資産税の軽減措置を創設するよう求めている。

 さらに、2011年度で実現していない法人実効税率の引下げにつき、各国が法人税率の引下げを競うなか、震災はわが国の立地コストとリスクを一層増大させており、アジアトップレベルの事業環境を早急に整備し、企業の海外流出抑止と国内での成長投資再開を後押しすることが不可欠とし、そのため、遅くとも2012年度改正で法人実効税率の5%引下げを確実に実現するとともに、早期にアジア諸国並みまで引き下げるよう要望している。

 同税制改正要望事項は↓
 http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/Iken_Youbou/y230719.pdf

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