2011年07月19日-3
国税不服申立手続き見直しで日税連規制改革委が答申

 日本税理士会連合会の規制改革対策特別委員会(神津信一委員長)は、池田隼啓日税連会長に、「行政不服申立制度の改革に伴う国税不服申立手続きの見直しについて」を答申した。政府の「行政救済制度検討チーム」が公表した「行政不服申立制度の改革方針」のなかで、特に税理士制度と関連のある審理官制度の創設、「不服申立前置」の見直し、今後における国税不服審査制度の改革の方向性について意見を述べている。

 行政不服申立制度の改革方針にある審理官制度の創設は、審理官を行政従事者に限定せず、税務行政については高度の専門的な知識と十分な経験を有する税理士を登用する、略式採決(仮称)では、国税に関する不服申立手続きは審査請求への原則一元化とし、併せて改革方針に示されている「略式採決」(仮称)の選択適用を認める、代理人制度については、業として行うことが可能な不服申立の代理人の範囲を拡大しないことと提言。

 不服申立前置については、現行制度は納税者の権利救済手段として機能しているが、現行の異議申立、審査請求の「二重前置」は廃止し、不服申立前置を維持した上で、異議申立をするか、審査請求をするかにつき納税者が選択可能にする。なお、2011年度税制改正大綱では、不服申立前置のあり方につき、審判所での審査請求を含め、国税の不服申立手続きが一定の争点整理機能を発揮し、裁判所の負担軽減に役立っていると指摘している。

 最後に、国税不服審査制度の方向性として、争訟手続きにつき、不服申立期間の期間宣言(現行2月)の延長、対審制に改め、審理手続きを充実すること、裁決例の公開を推進すること、などを、争訟機関については、採決機関たる国税不服審判所は執行機関から分離した独立組織とすること、執行機関の職員からのローテーション人事を是正する、税理士等の民間専門家の国税審判官への任用をさらに促進する、ことが適当としている。

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