2011年07月11日-3
日税連が17項目の「税理士法改正意見」まとめる

 日本税理士会連合会(池田隼啓会長)及び税理士法改正特別委員会は、直近の改正から10年を経て、IT社会への変革と経済社会の多様化・複雑化に対応するために「税理士法」の改正を目指しているが、このほど、4月21日付けでまとめた改正意見に、(1)事務所の設置基準の見直し、(2)会費滞納者に対する処分の強化、(3)臨税制度の見直しを加えた17項目の意見(案)を同会ホームページを通じて会員に公表した。

 「事務所の設置基準の見直し」については、現行税理士法第40条で2ヵ所事務所の設置を禁止しているが、税理士が設けようとする事務所の設置場所を、その税理士の住所から合理的な時間内の範囲内で通うことができる場所に限定する改正の方向性を示している。このため、法第40条5項に「税理士が設ける第1項の事務所は、当該税理士の住所からの距離が、財務省令で定める範囲内でなければならない」ことを追加するとしている。

 「会費滞納者に対する処分の強化」では、法第25条の登録取消事由に2年間以上の会費滞納を追加する。2001年改正で、「2年以上継続して所在が不明であるとき」を登録取消事由とし、この改正で会費滞納が減少するとみられたが、会費を滞納しながら、税理士としての権利を享受するものが少なくないことから、他の士業に合わせて、会費滞納を登録取消事由に含めることとした。

 「臨税制度の見直し」では、法第50条に規定するいわゆる臨税業務の許可を受けることができる者を地方公共団体の職員に限定する。これまで、地方公共団体、農業協同組合、漁業協同組合、事業協同組合及び商工会について、例外的に、税理士でない者が臨時かつ無償で税務書類の作成等を認めているが、税理士登録者が7万1885名(2011年1月末日現在)に達しているおり、納税者に不利益を与えない範囲で縮小するとしている。

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