2011年07月11日-1
中小企業に生きている欠損金の繰戻し還付

 青色申告書である確定申告書を提出する事業年度に生じた欠損金額がある場合には、その法人は、申告書の提出と同時に、欠損金額に係る事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度の所得に対する法人税の額に、そのいずれかの事業年度(還付所得事業年度)の所得の金額のうちに占める欠損事業年度の欠損金額に相当する金額の割合を乗じて計算した金額に相当する法人税の還付を請求することができる。

 計算式は、「還付請求できる金額=還付所得事業年度の法人税額×(欠損事業年度の欠損金額)/還付所得事業年度の法人税額」。この適用には、還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出している場合であって、欠損事業年度の青色申告書である確定申告書をその提出期限までに提出した場合に限り適用するなどの要件がある。

 この欠損金の繰戻し還付の制度は、1992年4月1日~2012年3月31日の間は、原則として停止されているが、普通法人のうち、資本金額等が1億円以下の法人(資本金額等が5億円以上の法人の100%子法人を除く)、相互会社、公益法人等、協同組合等、法人税法以外の法律によって公益法人等とみなされているもの、人格のない社団等は、「中小企業者等」として、例外として適用されることになっている。

 また、内国法人につき解散(適格合併による解散を除く)、事業の全部譲渡、更正手続きの開始その他これらに準ずる事実が生じた場合において、その事実が生じた日前1年以内に終了したいずれかの事業年度または同日の属する事業年度において生じた欠損金額(欠損金の繰越控除により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの)があるときは、その事業年度について欠損金の繰戻し還付が適用される。

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