2011年07月04日-4
11年分路線価は3年連続下落、被災地は秋に反映

 全国の国税局・税務署において7月1日、相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となる2011年分の路線価及び評価倍率が公表された。今年1月1日時点の全国約36万地点における標準宅地の前年比の変動率の平均は3.1%(前年4.4%)下落し、実質的に3年連続の下落となった。国税庁では、今年から路線価の計算方法を改め、平均路線価額は算出せず、各評価地点の前年との変動率を単純平均する方法に変更した。

 この計算方法では2009年以前の平均値は算定されていないが、同庁では「実質的に3年連続の下落」としている。ただし、東日本大震災の影響は加味しておらず、被災地については、被災の程度に応じて路線価を減額する「調整率」を導入し、今年10~11月に公表する予定だ。調整率が導入されるのは阪神大震災以来2回目。調整率の対象地域は、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉各県の全域と、新潟、長野両県の一部となる。

 都道府県別の路線価をみると、すべての都道府県で下落した。下落率は、「東京」が2.0%(前年7.0%)、「大阪府」が3.4%(同6.1%)、「愛知県」が0.8%(同3.3%)など31都道府県で下落幅が縮小した。また、都道府県庁所在都市の最高路線価も、上昇した都市が前年の0から1(福岡)に、横ばいの都市は同2から3(名古屋、津、奈良)、下落した都市は同45から43となって、不動産市況にはやや回復の兆しがみえている。

 都道府県庁所在都市の最高路線価では、1位は東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」で、1平方メートルあたりの路線価は▲5.2%(120万円)下落の2200万円となったが、26年連続の全国トップ。以下、大阪・北区角田町の「御堂筋」680万円(下落率▲6.1%)、横浜市西区南幸1丁目の「横浜駅西口バスターミナル前通り」591万円(同▲2.2%)、名古屋市中村区名駅1丁目の「名駅通り」581万円(同0.0%)と続く。

 なお、2008年分から路線価図等の冊子は作成されていないため、路線価は、自宅や会社のパソコンまたは全国の国税局・税務署に設置してあるパソコンから国税庁のホームページにアクセスして、閲覧・プリントアウトすることになる。

国税庁ホームページへのアクセスは↓
http://www.rosenka.nta.go.jp/

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