2011年06月29日-1
国税不服審判所改革へ日税連が意欲

 東日本大震災の発生により中断していた政府の「行政救済制度検討チーム」が27日に再開され、(1)行政救済制度検討チームヒアリング結果、(2)行政不服申立制度の改革方針に関する論点整理、(3)不服申立前置の全面的見直しに関する調査結果、(4)その他について検討する。行政救済制度に関しては、日本税理士会連合会(池田隼啓会長)も国税不服審判所改革に関し意見書を提出しており、その実現に意欲をみせている。

 日税連では、争訟機関について、「裁決機関たる国税不服審判所は執行機関から分離した独立組織とすべき」、「執行機関の職員からのローテーション人事を是正すべき」、「税理士等の民間専門家の国税審判官への任用をさらに促進すべき」と主張。国税審判官の民間専門家任用についても、同会の税制改正建議等が実現させたもので、今後も独立性、第三者性の強化と民間専門家任用の推進に必要な措置を講ずる必要があるとしている。

 国税不服審判所のさらなる独立性、第三者性の強化については、国税通則法施行令第31条第1項第2号(国税に関する事務に従事した経験を有する国家公務員)に該当する審判官の任期の長期間化、国税通則法第78条第2項により国税庁長官任命と規定される国税不服審判所長の任命を国会承認事項とする、第2号該当者を任用する場合の具体的基準を設けること等の検討を主張。また、民間専門家のさらなる任用の推進を求めている。

 さらに、国税不服審判所と税理士会との情報交換の場の設置、報酬ある公職にある場合の業務停止に係る税理士法第43条の規制緩和、非常勤の審理官制度等について今後の検討課題とする等、環境整備に努め、裁決機関たる国税不服審判所は執行機関から分離した独立組織とし、将来的には、国税不服審判所が取り扱う事件の範囲を国税に限定することなく、地方税にも拡大し、「租税不服審判所」と改称し、独立機関とするよう求めている。

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