2011年06月22日-2
還付金濫用防止が目的の中間申告納付制度の改正

 与野党3党合意の合意によって2011年度税制改正法案を分離し、国会に提出した「現下の厳しい経済情勢及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税制等の一部を改正する法律案」は22日、参院本会議で賛成多数で可決、成立したが、このなかに「法人税の中間申告制度について、次の場合には、仮決算による中間申告書を提出できないこととする」との改正が含まれている。

 それは、(1)前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除し、これに6を乗じて計算した金額が、10万円以下である場合またはその金額がない場合、(2)仮決算による中間申告書に記載すべき法人税の額が、前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除し、これに6を乗じて計算した金額を超える場合、このいずれかに該当する場合は中間申告書の提出ができなくなるというもの。

 その理由は、現在の経済情勢では還付加算金の割合が市中金利に比較して高率であることに着目して、仮決算をすることにより予定納税額を超える中間申告を行って、確定申告によって生じた還付金について還付加算金を受領している事例が、会計検査院の調査によって指摘されたことがベースになっている。そのような還付加算金制度の濫用を防止するための措置というわけだ。

 なお、中間申告制度の原則は、内国法人である普通法人は、その事業年度が6月を超える場合には、その事業年度開始の日以後6月を経過した日から2月以内に、税務署長に対し「中間申告書」を提出しなければならない。ただし、中間申告書を提出すべき内国法人である普通法人がその中間申告書を提出期限までに提出しなかった場合には、前期の実績による中間申告書の提出があったものとされる。

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