政府は６月10日、「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」を閣議決定、同日国会に提出した。今月中に成立する予定。また、これまでの「所得税法等の一部を改正する法律案」は修正され、「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」と題名も修正され、同日改めて国会に提出、継続審議となる。
税制整備法は、(1)政策税制の拡充等、(2)納税者利便の向上・課税の適正化等、(3)期限切れ租税特別措置の延長等、に大別され、政策税制の拡充等では、「雇用者の数が増加した場合の特別償却又は特別税額控除制度の創設 」、｢エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除制度の創設｣、｢認定特定非営利活動法人等に寄附をした場合の所得税額の特別控除の創設｣等が盛り込まれている。
納税者利便の向上・課税の適正化等では、「年金所得者の申告手続等を簡素化する措置の創設」、｢航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の税率の軽減措置の創設｣、「上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する７％軽減税率の特例等の適用期限の延長並びに非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税の施行時期の延長」、「故意の申告書不提出によるほ脱犯の創設」等がある。
期限切れ租税特別措置の延長等では、「住宅用家屋の所有権の保存登記若しくは移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限の延長」、「輸入・国産農林漁業用Ａ重油に係る石油石炭税の免税・還付措置の適用期限の延長」、「電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額の特別控除の適用期限の延長」などが主な措置だ。
法律案要綱は↓
http://www.mof.go.jp/about_mof/bills/177diet/sst230610y.pdf