2011年06月09日-1
IT利用の申告書提出人員は8%増の1039万6千人

 2010年分所得税等の確定申告では、所得税の申告書提出件数が2315万件で2年連続の減少となったものの、過去最高だった2008年からは3.3%下回るに過ぎない。うち、還付申告者数は1267万3千人で6年ぶりに減少した。こうした2千万人を超える納税者数への対応として国税庁は、確定申告の基本方針として「自書申告」を推進しており、そのためのIT(情報技術)を活用した施策に積極的に取り組んでいる。

 国税庁のホームページ上で申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxなど、ITを利用した所得税の確定申告書の提出人員は全体で1039万6千人にのぼり、2009年分より8.3%増加した。所得税の確定申告書の提出人員(2315万人)に占める割合は44.9%にまで上昇している。2007年分からは税務署に訪れる納税者にも利用できるように、相談会場にパソコンを設置したことが、IT利用を促進させた。

 署でのIT利用は、署のパソコンで申告書を作成して「e-Tax」が457万5千人、同「書面での提出」が38万1千人の計495万7千人と前年度に比べ6.4%増。また、自宅などでのIT利用は、「HP作成コーナーで申告書を作成して書面での提出」が226万8千人、「同e-Tax」が57万人、「民間の会計ソフトで申告書を作成してe-Tax」が260万2千人の計544万人で同10.1%増となり、ともに順調に増加した。

 一方、全国拡大後7回目の確定申告となるe-Tax(国税電子申告・納税システム)は、(1)最高5000円の税額控除、(2)添付書類の提出省略、(3)書面提出に比べ還付金を早期還付、などのメリットを積極的に広報するなどの普及拡大に努めた結果、所得税の申告件数が、前年の707万9千件から774万7千件へと9.4%の増加となった。これは、所得税の確定申告書の提出人員の3人に1人がe-Taxを利用したことになる。

 このように、ITを活用した施策を推進する一方で、今年で8回目となる閉庁日における申告相談を2月20日と2月27日の日曜日に、228税務署を対象に、税務署のほか合同会場や広域センターにおいて実施。これらの会場における両日の相談件数は前年比0.2%増の18万4千件、申告書収受件数も4.2%増の27万6千件と、ともに増加はわずかだが、閉庁日対応の効果が十分にうかがえる結果となった。

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