2011年06月01日-1
被災地の相続には財産評価も特例を適用

 東日本大震災に伴う税制支援のなかで、相続における財産評価でも特例が適用されることとなっている。相続税の課税価格の計算上、相続財産の価額は取得時の時価とされているが、大震災の被災地については「震災後を基準とした価額によることができる」とする特例措置が設けられた。なお、贈与税に関する財産評価においても同様の措置がとられることとされている。

 指定地域は青森・岩手・宮城・福島・茨城・栃木・千葉の各県の全域と新潟県十日町市・中魚沼郡津南町、長野県下水内郡栄村。特例措置の対象は、2010年5月11日から2011年3月10日までの間に相続等により取得した特定土地等(2011年3月11 日に所有していたものに限る)だが、あわせて指定地域内にある一定の動産・不動産等の価額が保有資産の合計額の3/10 以上である法人の株式等(上場株式等を除く)も対象となる。

 一方、「住宅取得等資金の贈与税の特例」に係る入居要件等の特例についても、(1)震災により特例の対象となる住宅が損壊し通常の修繕によっては原状回復が困難となったため入居できなくなった場合には、入居要件が免除、(2)震災により特例の対象となる住宅の修繕が必要となるなど期限までに入居できなくなった場合には、2010年分は入居期限を1年間延長、(3)2011年分の場合は取得期限と入居期限が1年間延長、とされる。

 さらに、家屋や自動車などに被害を受けた人の相続税・贈与税の災害減免措置として、震災により相続や遺贈、贈与により取得した家屋や自動車などに被害を受けた場合、災害減免法により相続税・贈与税が減免される場合がある。家庭用財産の場合は、取得価額が明らかなときは、家庭用財産の取得価額から「償却費相当額」を差し引いた金額、取得価額が明らかでないときは、別表「家族構成別家庭用財産評価額」により求める。

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