2011年05月26日-1
貸倒引当金制度の適用対象法人を縮小か

 貸倒引当金は、その有する金銭債権のうち将来その貸倒れ等の損失が見込まれるものを「個別評価金銭債権」と、現在において貸倒れの損失が見込まれないものを「一括評価金銭債権」とに区分し、その損失の見込額を損金経理したときは、その金額のうち一定の限度額に達するまでの金額を損金に算入できる制度だが、2011年度税制改正で、適用法人を限定するとともに、割増率の引下げなどが行われる。改正法案は現在審議中。

 適用法人は、(1)中小法人等、(2)銀行、保険会社その他これらに準ずる法人、(3)売買があったものとされるリース資産の対価の額に係る金銭債権を有する法人等。また、中法法人等とは、(1)普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの(資本金の額が5億円以上の法人による完全支配関係がある法人を除く)、(2)公益法人等、(3)協同組合等、(4)人格のない社団等。

 このなかで、「売買があったものとされるリース資産の対価の額に係る金銭債権を有する法人等」については、その法人が有する金銭債権のうち特定の金銭債権以外のものを貸倒引当金の対象債権から除外する。また、公益法人等または協同組合等の貸倒引当金の特例について、割増率を12%(改正前16%)に引き下げることとされた。割増率の引下げを行った上、適用期限が、2014年3月31日まで3年延長される。

 ただし、適用対象法人以外の法人の2011年4月1日から13年3月31日までの間に開始する事業年度については改正前の規定による繰入限度額の4分の3、2012年4月1日から13年3月31日までの間に開始する事業年度については改正前の規定による繰入限度額の4分の2、2013年4月1日から14年3月31日までの間に開始する事業年度については改正前の規定による繰入限度額の4分の1までの繰入れができる等の経過措置がある。

ウィンドウを閉じる