2011年05月23日-1
中小法人向け特例制度の不適用措置

 複数の完全支配関係がある大法人(資本金の額、出資金の額が5億円以上の法人、相互会社等)に発効済株式の全部を保有されている法人については、中小法人向け特例制度が適用されないこととされる予定だ。中小特例制度は、(1)軽減税率、(2)特定同族会社の特別税率の不適用、(3)貸倒引当金の法定繰入率、(4)交際費等の損金算入制度における定額控除制度、(5)欠損金の繰戻しによる還付制度がある。

 現在国会で審議中の2011年度税制改正法案では、内国法人である普通法人のうち各事業年度終了のときに、(1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の大法人、(2)保険業法に規定する相互会社または外国相互会社、(3)法人課税信託の受益法人との間にその法人による完全支配関係がある普通法人に該当するものは、資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人に係る中小法人向け特例制度は適用されないことになる。

 つまり、完全支配関係、いわゆる100%子会社になると、自社が資本金額若しくは出資金の額が1億円以下で、税務上の中小企業に該当しても、グループ法人税制では中小特例が適用されなくなってしまう。この改正に伴い、確定申告書の「別表一(一)の納税地等の記載の欄」に「中小法人向け特例の不適用」の有無について、「非中小法人」という箇所に○印を付けて確認することとされる。

 確定申告書の添付書類のうち、「事業等の概況に関する書類」に、その内国法人との間に完全支配関係がある法人との関係を系統的に示した図を記載する。また、連結確定申告書の添付書類についても、同様となる。系統図の作成に当たっては、原則としてグループ内の最上位の者及びその最上位の者との間に完全支配関係があるすべての法人を記載、グループ法人が外国法人である場合には、法人名の下に所在地国の記載が必要となる。

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