2011年05月09日-1
雑損控除適用のための「損失額の計算方法」を提示

 国税庁は、地震や風水害などの災害で住宅や家財などに損害を受けた場合の雑損控除の適用については、これまでも、その適用における損失額の合理的な計算方法を提示 (2004 年12月7日付課個2-22)してきたが、今回の東日本大震災により、広い範囲で甚大な被害が生じている状況の下、多数の納税者が雑損控除を適用することが予想されることから、確定申告等における便宜等を考慮し、改めてその取扱いを示した。

 まず、損失の計算に当たっての資産の区分は、(1)住宅、(2)家財(家具、什器、衣服、書籍、暖房装置、冷房装置などの生活に通常必要な動産)、(3)車両、に応じて計算する。住宅に対する損失額の計算は、住宅の取得額が明らかな場合は、取得価額から、その取得の時から損失を生じた時までの減価償却費の総額を差し引いた金額に、被害割合を乗じた金額とする。「損失額=(取得価額-減価償却費)×被害割合」。

 住宅の取得額が明らかでない場合は、住宅の所在する地域及び構造の別により、「地域別・構造別の工事費用表(1平方メートル当たり)」により求めた住宅の工事費用に、その住宅の総床面積(事業用部分を除く)を乗じた金額から、その取得の時から損失を生じた時までの期間の減価償却費の総額を差し引いた金額に、被害割合を乗じた金額とする。「損失額=[(1平方メートル当たりの工事費用×総床面積)-減価償却費]×被害割合」。

 家財に対する損失額の計算は、取得額が明らかな場合は、「損失額=(取得価額-減価償却費)×被害割合」で計算。取得額が不明の場合は、家族構成別家財評価額で求めた財産評価額を使い、「損失額=家族構成別家財評価額×被害割合」で計算。車両は、生活に通常必要な車両に限り、「損失額=(取得額-減価償却費)×被害割合」で計算。生活に通常必要かどうかは、自己または配偶者その他の親族が通勤に使用しているかなどで判断する。

 この件の詳細及び「地域別・構造別の工事費用表」、「家族構成別家財評価額」、「被害割合表」は↓
 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/pdf/sonshitsu_keisan.pdf

ウィンドウを閉じる