2011年05月06日-3
番号制度利用開始は2015年1月から~政府検討会

 政府の社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会は4月28日、年金や健康保険など社会保障と税に共通する番号を個人・法人一人ひとりに付与する「社会保障・税番号要綱」をまとめ公表した。この要綱を基に6月に大綱を作成し、今年秋以降に番号法案を国会に提出、法案成立後、2014年6月に個人・法人等に番号を交付し、2015年1月以降、社会保障分野、税務分野のうち可能な範囲で「番号」の利用開始を目指す。

 制定する「社会保障・税番号法(仮称)」は、基本理念として、(1)社会保障給付及び社会保障負担並びに税の賦課及び徴収に関して、国民が公平及び公正さを実感できる、(2)社会保障給付が所得等の水準を的確に把握することにより適切に支給される、(3)行政機関の保有する「番号」に係る個人情報の適正な取扱いを確保し、その個人情報へのアクセス記録を国民自ら確認できる、などの社会の実現を目指すことを掲げている。

 個人に付番する「番号」については、住基ネットなど既存インフラをできる限り生かした効率的なシステムを構築した上で、住民票コードと一対一で対応する新たな番号とする。個人にはICカードを交付する。「番号」の利用範囲は、年金・介護の給付や保険料の支払い、税務署や地方公共団体へ提出する書類等への記載などをするときに利用するほか、6月に公表予定の「大綱」策定時までに利用範囲の拡充を図る。

 「法人番号」については、国の機関及び地方公共団体、登記所の登記簿に記録された法人等、法令等の規定に基づき設置されている登記のない法人、国税・地方税の納税義務、源泉徴収義務などを有する人格のない社団等に付番する。「番号」を生成する機関のあり方は、現行の住民基本台帳法に規定されている指定情報処理機関が住民票コードを生成してきたことを踏まえ、今後検討する。

 また、個人情報保護など国民の懸念への対応として、行政機関や「番号」を取り扱う民間事業者などを監督する第三者委員会を内閣総理大臣の下に設置する。委員長や委員は、内閣総理大臣が衆参両院の同意を得て任命する。委員会は立入検査や勧告、命令などもできる。行政機関の職員や「番号」を取り扱う民間事業者の従業員などの個人情報盗用や不正提供、守秘義務違反などに対しては、懲役や罰金の罰則規定を設ける。

 「社会保障・税番号要綱」の全文は↓
 http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/youkou_honbun.pdf

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