2011年05月06日-1
09年度赤字法人割合は過去最高の72.8%に

 国税庁が4月28日に公表した「2009年度分税務統計から見た法人企業の実態調査」結果によると、2009年度分の法人数は261万7064社で、前年度より0.5%増加した。このうち、連結親法人は820社で同9.6%増、連結子法人は6355社で同1.6%増。連結子法人を除いた261万709社のうち、赤字法人は190万157社で、赤字法人割合は前年度から1.3ポイント増の72.8%となり、1951年分の調査開始以来過去最高の割合となった。

 2009年度分の営業収入金額は、前年度に比べ▲6.7%の1324兆1457億円と2年連続で減少した。黒字法人の営業収入金額も同▲11.1%の741兆5003億円で2年連続の減少、所得金額も同▲14.0%の30兆3024億円で3年連続の減少と、ともに前年を大きく下回り、世界同時不況による業績悪化での企業収益の低迷が鮮明となった。営業収入に対する所得金額の割合(所得率)は、前年から0.1ポイント低下の4.1%となった。

 黒字法人の益金処分総額は前年比▲19.2%の35兆2859億円。内訳は、支払配当が同▲32.9%の6兆9312億円(構成比19.6%)、法人税額が同▲12.6%の7兆7919億円(同22.1%)、その他の社外流出が同▲23.0%の4兆9877億円(同14.1%)で、これらを引いた社内留保が▲13.2%の15兆5751億円と44.1%を占めた。なお、役員賞与は、会社法創設に伴い、2006年5月1日以後終了する事業年度から利益処分項目ではなくなっている。

 一方、2010年3月までの1年間に全国の企業が取引先の接待などに使った交際費は、前年度に比べ▲7.1%の2兆9979億円となり、3年連続で減少し、過去最高だった1992年分の6兆2078億円に比べほぼ半減した。このうち、税法上損金に算入されなかった金額(損金不算入額)は同▲26.5%の1兆1839億円と3年連続で減少し、損金不算入割合も、前年より10.4ポイント減の39.5%と初の40%割れとなった。

 営業収入10万円あたりの交際費等支出額は、全体では前年度より1円少ない226円で、資本金1千万円未満が678円と高い一方、資本金が多くなるにつれ減少し、資本金10億円以上は110円と低い。また、業種別にみると、「建設業」が533円、「不動産業」が468円、「出版印刷業」が341円と高く、一方、「機械工業」及び「卸売業」が148円、「鉱業」、「小売業」及び「金融保険業」が171円と低くなっている。

 同実態調査結果の詳細は↓
 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon2009/pdf/gaiyou.pdf

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