2011年04月28日-1
一日も早い復旧・復興のための立法措置を提唱

 第一生命経済研究所は、東日本大震災と阪神・淡路大震災時との比較をレポートしている。阪神・淡路大震災の発生から1ヵ月後には、税制上の支援法(第一弾)が成立しており、それから10日ほどで補正予算が組まれた当時と比べると、現時点で税制上の支援法が国会に提出された状態であり、対応が遅れていると指摘。原発問題等複合的な問題発生という特殊事情があるが、復旧・復興の支障となってはならない、としている。

 また、今後の課題3点あげている。一つ目は税制上の対応の追加。第一弾は、所得税、法人税、消費税など家計や企業の日常生活・事業に関係が深く、緊急性の高い税制を対象にしたもの。第二弾以降の税制上の対応では、本格的な復興支援策として住宅・設備投資等生活・生産基盤の整備や、今後提示される復興ビジョンに沿った産業構造やエネルギー供給体制などの整備を支援するための税制の措置も含まれると考えられる、としている。

 二つ目の課題は、5月の連休明けに提出されるとみられる復興基本法案などを早期に成立させ、復興対策の基本姿勢を明確化すること。それにより、遅れ気味の復旧・復興対策を加速させる必要がある。また、緊急性の高い生活基盤のたて直しや、電力・ガス・水道などのライフラインの復旧、道路・港湾・鉄道などのインフラ復旧等とともに、長期的な視点からみたときの復興方針の整合性を保つ必要があるだろうという。

 三つ目の課題は、補正予算の早期成立。現在、4兆円規模とされる補正予算の成立は5月はじめ、本格的な復興対策となる第2次補正は6月になる見通し。第2次補正予算の成立はより難航すると考えられる。こうした状況の中で、復興財源問題に加えて、阪神・淡路大震災時に比べて対策実行の遅れが目立ちはじめている。復旧・復興が最優先される中で、税制上の対応や補正予算による政策の早期実施が求められる、としている。

 同レポートの全文は↓
 http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban_index.html

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