2011年04月27日-2
復興国債と震災復興税の考え方をレポート

 東日本大震災の復興財源について、第一生命研経済究所がレポートしている。それによると、「4月14 日の復興構想会議において、五百旗頭議長から示された基本方針には、復旧・復興対策の財源として、国債発行や震災復興税の創設などが含まれている。早急に必要な復旧・復興財源の確保は重要だが、長期的な視点からみた財政再建と表裏一体の関係にある社会保障と税の一体改革との整合性を保っておく必要がある」という。

 第2次補正予算では、財源確保のために復興国債を発行する必要がある。その裏づけとして償還期限の短期化、償還財源となる震災復興税の創設、収支を明確化した一般会計とは別枠管理が必要。財政再建を考えれば、国債償還の裏付けとなる増税は避けられない段階。増税による景気への悪影響は懸念されるが、増税のタイミングを考慮すれば、公共事業など復興需要やエネルギー投資の促進などによる影響の緩和が期待されるとしている。

 また、医療、介護や雇用、子育て支援の財源を確保し、日本の財政を持続させるために必要となる税収を試算すると、消費税率換算で約5~10%の引上げが必要となった。社会保障国民会議で示された社会保障の機能強化などを実施するならば、必要な税収は消費税率換算で16~20%となる。これらから、すべて消費税率の引上げで対応するならば、ヨーロッパ諸国なみの税率までの引上げが必要になると考えられる。

 社会保障財源としていずれ消費税率引上げが避けられない中、震災復興財源として前倒しで税率を引き上げた後、予定した時点で社会保障財源への切替えも検討する。それにより税率引上げ時の経済への影響を緩和させ、復旧・復興と財政再建の双方の道筋等を示す。非常事態においても、長期的な視点を持ち、財源の裏付けある政策を実行することが復旧・復興対策には必要で、それが将来の日本の成長につながるとの考えを示している。

 同レポートの全文は↓
 http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban_index.html

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