2011年04月25日-3
東日本大震災対応税制第二弾は今国会中に法案提出

 政府・民主党は東日本大震災からの本格的な復興に向けた税制上の対応策の検討に着手した。被災地支援のための緊急措置として19日に国会提出した「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案」に続く第二弾では、復興のための土地譲渡や設備投資に対する軽減、住宅ローン減税の拡充などが浮上している。野党の主張も踏まえて具体策をまとめ、今国会中に特例法案を提出する方針。

 19日に提出した第一弾が住宅や家財等に係る損失の雑損控除について2010年分所得での前倒し適用を可能にするなど、住宅や事業所、生産設備や自動車といった資産が被災した場合の損失に関わる税制上の救済措置や、代替資産の取得に伴う負担の軽減、寄附金控除の拡充など、当面の緊急措置に重点を置いたのに対し、第二弾では復興や生活基盤の再建を後押しする施策を重視する。

 民主党は、復興につながる設備投資などを行った企業・個人事業主のための税負担軽減措置や、被災地復興に向けた土地譲渡を促すための課税特例措置などを提唱。政府部内でも住宅の再取得を支援するため、住宅ローン控除について定めた住宅取得促進税制の拡充、事業承継税制や納税猶予に関する特例措置などを検討するが、復興税(仮称)創設構想や期限付きの消費税率引上げ案も浮上しており、曲折も予想される。

 さらに、福島第一原子力発電所事故を受けて一時避難している地元住民のため、土地・建物に課す固定資産税・都市計画税を免除する案も浮上している。一方では公明党が中小企業について、震災による損失に対する法人税の繰戻し還付期間を延ばすよう提言するなど、野党の間でも復興支援に向けた税制の検討が進んでいる。政府・民主党ではこれらも踏まえて具体策づくりを急ぐ。

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