2011年04月21日-1
東日本大震災への支援税制法案の第一弾を国会提出

 政府は19日、東日本大震災に伴い被災者や被災企業の支援税制の第一弾として「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案」を午前に閣議決定し、同日午前に国会へ提出した。所得税関係では、雑損控除の特例や災害減免法による所得税の減免措置を2010年分所得で前倒しで実施するほか、法人税関係では、震災損失の繰戻しによる法人税額の還付などを盛り込んだ。主な国税関係の措置は次の通り。

 所得税関係では、(1)10年分所得の計算上、被災事業用資産の損失の必要経費への算入を可能とし、青色申告者は、被災事業用資産以外の損失を含め10年分所得で純損失が生じた場合、更に09年分所得への繰戻還付が可能、(2)被災事業用資産の損失による純損失の繰越可能期間を5年(現行3年)に延長し、保有資産に占める被災事業用資産割合が1割以上の場合、被災事業用資産以外の損失を含め繰越可能な純損失の繰越期間を5年とする。

 法人税関係では、(1)11年3月11日から12年3月10日までの間に終了する事業年度において、法人の欠損金額のうちに震災損失金額がある場合には、その震災損失金額の全額が2年間まで遡って繰戻還付が可能、(2)11年3月11日から12年3月10日までの間に中間期間が終了する場合、仮決算の中間申告により、震災損失金額の範囲内で、法人税額から控除しきれない利子・配当等に係る源泉所得税額の還付を可能とする。

 資産税関係では、(1)住宅取得等資金の贈与税の特例の適用を受けようとしていた住宅が、大震災により滅失して居住できなくなった場合には、その住宅への居住要件を免除する、(2)法律の施行の日の翌日から21年3月31日までの間に、大震災により滅失・損壊した建物に代えて新築または取得する建物及びその敷地の用に供する土地に係る所有権の保存登記等に係る登録免許税を免税とする。

 資産税関係の「住宅取得等資金の贈与税の特例措置に係る居住要件の免除措置」は阪神・淡路大震災時にはなかったものだが、そのほか、「大震災関連寄附に係る寄附金控除の拡充」や「被災した船舶・航空機の再建造等に係る登録免許税の免税」、「建設工事の請負に関する契約書等の印紙税の非課税」、「被災自動車に係る自動車重量税の特例還付」、「被災者の買換え車両に係る自動車重量税の免税措置」などの支援税制を新たに盛り込んでいる。

 国税関係の臨時特例に関する法律案要綱は↓
 http://www.mof.go.jp/about_mof/bills/177diet/ss230419y.pdf

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