2011年04月11日-1
災害に関する法人税、消費税等の取扱いFAQ公表

 国税庁は8日、このたびの東日本大震災の発生に伴い、災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いについて、よくある質問を取りまとめ、FAQとして同庁ホームページ上に公表した。法人税は、申告期限の延長を始め復旧のために支出する費用など28項目、消費税は、帳簿及び請求書等の保存、従業員や取引先に対する災害見舞金など4項目、源泉所得税は、災害見舞金の支給など5項目の計37項目が掲載されている。

 法人税関係では、取引先に対する災害見舞金が交際費等に該当しないものとして取り扱われる金額の程度に関する質問に対し、その取引先の被災の程度、取引先との取引の状況等を勘案した相応の金額であれば、その金額の多寡は問わないと回答。ただ、災害見舞金を支出した場合に、取引先から領収書の発行を求め難い事情も考えられるため、法人の帳簿書類に支出先の所在地や名称、支出年月日を記録しておく必要性も指摘している。

 また、法人が被災した取引先の役員や使用人に対して個別に支出する災害見舞金は、個人事業主に対するものを除き、いわゆる付き合い等としての性質を有するものと考えざるを得ないことから、交際費等に該当するものとして取り扱われる。そのほか、法人が受けた義援金や見舞金の収入金額は益金に算入される。一方で、災害により被害を受けた法人の有する商品や店舗、事務所等の資産の損失額は、損金に算入されるわけだ。

 消費税関係では、被災により帳簿書類を消失した場合でも、災害その他やむを得ない事情により帳簿及び請求書等を保存できなかった場合に該当するので、仕入税額控除は認められる。災害見舞金については、従業員や取引先に対して金銭により支出する災害見舞金は消費税の課税対象ではないため、不課税取引となることから、支出した事業者における課税仕入れにも、受け取った事業者における課税売上にも該当しないとしている。

 源泉所得税では、災害見舞金について、法人が被災した従業員や役員に対し、住宅や家財の損害の程度に応じて災害見舞金を支給することとした場合、会社が、被災者の所有資産の損害の程度(全壊、半壊、床上浸水、床下浸水など)に基づき支給額を定めるなど、損害の程度に応じて一定の基準をもって支給額を定めている場合には、「相当の見舞金」に該当すると考えられるため、給与として源泉徴収をする必要はないと説明している。

 同FAQの全文は↓
 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/pdf/hojin_shohi_gensenshotokuFAQ.pdf

ウィンドウを閉じる