2011年03月31日-3
日本版ISAの実施2年延長も「つなぎ」に注視を

 2010年度税制改正で、金融所得課税の一体化の取組みのなかで個人の株式市場への参加を促進するため、2012年から実施される上場株式等に係る税率の20%本則税率化にあわせて、非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(いわゆる「日本版ISA」)の法制上の措置が行われたが、2011年度改正で20%本則税率化が2014年1月実施へと実施が延期され、非課税措置の導入も同様に延期されることになっている。

 日本版ISAの内容は、非課税対象:上場株式等の配当及び譲渡益、非課税投資額:毎年新規投資額で100万円を上限(未使用枠は翌年以降繰越不可)、非課税投資総額:300万円(100万円×3年間)、保有期間:最長10年間、途中売却:自由(ただし、売却部分の枠は再利用不可)、口座開設数:年間1人1口座(毎年異なる金融機関に口座開設可)、年齢制限:20歳以上、というもの。

 2011年度改正では、非課税口座に受け入れることができる範囲に、(1)非課税口座を開設している金融商品取引業者等が行う募集により取得した上場株式、(2)非課税口座内上場株式等について無償で割り当てられた上場新株予約権で、その割当ての際に非課税口座に受け入れられるもの、(3)2以上の非課税口座で管理している同一銘柄の非課税口座内上場株式等について行われた株式分割等により取得した上場株式等、が加えられる。

 少額投資優遇税制については、リーマンショック以降の株式市場等の低迷から、20%本則税率化への移行を2年遅らせることとし、2012年1月1日以後に支払いを受けるべき非課税口座内上場株式等に係る配当等及び譲渡所得等にについて適用されることとなっていたものを、2014年1月1日からの適用とした。しかし、ねじれ国会により成立しない場合は、逆に来年1月1日からの適用も考えられ、注視しておく必要がある。

ウィンドウを閉じる