2011年03月28日-2
更正の請求の範囲拡大も、ねじれ国会で影響が

 2011年度税制改正で、実に46年ぶりの大改正が行われる予定の国税通則法では、例えばこれまで、当初申告時に選択した場合に限り適用が可能な「当初申告要件が設けられている措置」及び「控除等の金額が当初申告の際に記載された金額に限定される控除額の制限がある措置」については、事後的な適用を認めても問題がないものも含まれていることを踏まえ、更正の請求を認める範囲を拡大することとされた。

 まず、当初申告要件を廃止する措置として、その申告時に選択した場合に限り適用が可能な、例えば「インセンティブ措置(例:設備投資に係る特別償却)」及び「利用するかしないかで、有利にも不利にもなる操作可能な措置(例:各種引当金)」のいずれにも該当しない措置については、「当初申告要件」を廃止し、所要の書類の添付を求めることとされる。これには21種類の措置が含まれる。

 一方、控除額の制限を見直す措置では、控除等の金額が当初申告の際に記載された金額に限定される「控除額の制限」がある措置について、更正の請求により、適正に計算された正当額まで当初申告時の控除額を増額できることなる。「試験研究を行った場合の法人税額の特別控除の特例」、「青色申告特別控除(65万円)」、「受取配当等の益金不算入」など13種類の「控除額の制限措置」がある。

 これらの改正は、2011年4月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用される予定だが、ねじれ国会による影響で、成立しない可能性もある。特に、「試験研究を行った場合の法人税額の特別控除の特例」は「つなぎ法案」に入っているが、「電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額の特別控除」は、3月31日までに適用期限が到来するので、制度自体が消えてしまう可能性がある。

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