2011年03月28日-1
清酒は「新潟」、焼酎は「鹿児島」が消費No1

 お酒に強い地域というと、青森・秋田など東北人や九州勢、高知県人などが通説として挙げられるが、これを消費数量の数字面から眺めてみると意外な事実が浮かび上がって興味深い。基礎資料は、国税庁がまとめた都道府県別の2009年度成人1人あたりの酒類消費数量表。それによると、年間の1人あたり消費数量の全国平均は、ビール27.5リットル、清酒6.0リットル、焼酎9.3リットルなど合計82.6リットルとある。

 都道府県別にみると、「東京」が114.4リットルで唯一100リットル台を超えてもっとも多く、以下、「大阪」(98.9リットル)、「高知」(98.0リットル)、「秋田」(94.5リットル)、「青森」(94.5リットル)、「新潟」(94.2リットル)と続く。ただし、「東京」や「大阪」は大都市圏という経済構造から業務用のニーズが大きいと推測され、実質的な“飲兵衛”の県といえば高知以下ということになりそうだ。

 酒類別にみると、ビールは全国的に飲まれているが、「東京」(47.7リットル)、「大阪」(35.4リットル)、「高知」(32.1リットル)、「京都」(30.6リットル)、「新潟」(30.2リットル)、「富山」(30.0リットル)、「石川」(29.5リットル)などが上位に並ぶ。ビールは全体の消費量に占める割合が3割強と大きいだけに、ビールの消費が多ければ“飲兵衛”ランクの上位となる可能性が高い。

 清酒は、「新潟」(14.6リットル)、「秋田」(10.8リットル)、「富山」(9.3リットル)、「石川」(9.2リットル)、「山形」(9.1リットル)、「福島」(9.1リットル)、「長野」(8.8リットル)と酒どころが続く。「大阪」は5.6リットルで平均以下、「東京」は6.6リットルと全国平均の6.0リットルは上回るものの、日本酒の長期低迷は、大きな業務用市場で消費が伸びていないことに裏付けられよう。

 ここまで九州勢が出てこないが、特に南九州勢は、焼酎一辺倒なのである。焼酎の全国平均が9.3リットルのところ、「鹿児島」は27.5リットル、以下、「宮崎」(22.6リットル)、「大分」(14.2リットル)、「熊本」(13.4リットル)と上位4県を南九州勢で占めている。それも、原料がイモなどの乙類(単式蒸留)がほとんど。ちなみに、「鹿児島」では清酒は1.0リットル、ビールは19.0リットルなど、多くの酒は全国平均を大きく下回る。

 自分の出身地の飲兵衛度を知りたかったら↓
 http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/shiori-gaikyo/shiori/2011/pdf/006.pdf#page=4

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