2011年02月17日-1
未確定の医療費補てん保険金等は見積額で申告

 16日からいよいよ2010年分の所得税等の確定申告が始まった。給与所得者で1年間の給与収入が2千万円以下の人は、通常、年末調整が行われているから、確定申告をする必要はない。しかし、災害などで損失額が一定額を超える人や、自分や自分と生計を一にする親族のために支払った医療費が一定額を超える人、年の中途で退職して年末調整をされなかった人は、確定申告をすれば源泉徴収された税金が還付されることがある。

 このうち、医療費控除は、「(医療費の支払額-保険金などで補てんされる金額)-(年間合計所得金額×5%、または10万円のうちいずれか少ない金額)」で計算した金額(最高200万円)となる。つまり、実際に支払った医療費から保険会社等から支払われた保険金等を差し引くことになる。ところが、例えば、昨年末の12月に支払った入院費用を補てんするための保険金が、今年3月の確定申告の際に確定していない場合もある。

 医療費を補てんする保険金等の額が医療費を支払った年分の確定申告書を提出するときまでに確定していない場合には、とりあえず受け取る保険金等の額を見積もり、その見積額を支払った医療費から控除して申告することになる。そして、後日、保険会社等から保険金等の確定額の連絡があり、見積額と異なる金額であれば、遡ってその2010年分の医療費控除額を訂正することで処理が終わる。

 また、入院費用を昨年12月と今年1月に支払い、この入院費用を補てんする保険金を2月にまとめて受領したといった場合は、医療費は、現実に支払った年分の医療費控除の対象になるので、去年と今年のそれぞれの年分の医療費控除の対象となる。この場合、入院費用を補てんする保険金がいずれの年分の医療費をも補てんするものであるときは、原則として、その保険金の金額を、支払った入院費用の額に応じて各年分に按分する。

 そのほか、支払った医療費を超える補てん金を受け取ることもあるが、支払った医療費を補てんする保険金等がある場合の差引計算は、その補てんの対象とされる医療費ごとに行い、支払った医療費の金額を上回る部分の補てん金は、他の医療費の金額から差し引かないとされている。したがって、支払った医療費を超える部分の補てん金を、他の医療費からは差し引いて医療費控除額の計算を行う必要はない。

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