2011年02月14日-2
昨年12月末の「国の借金」、過去最大の919兆円

 財務省が10日に公表した2010年12月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は919兆1511億円となり、前回発表の2010年9月末時点(908兆8617億円)を10兆2894億円上回り、過去最大を更新した。地方が抱える長期債務残高は2010年度末で約200兆円程度と見込まれており、国と地方を合わせた借金は、とどまることを知らず、大台の1000兆円を軽く突破する状況にある。

 昨年9月末に比べ、国債は約12.5兆円増の約753.8兆円で全体の約82%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、税収不足を補うために増発した影響で約14.3兆円増の約628.2兆円と過去最高となった。また、一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は約2.9兆円減の約110.3兆円、財政投融資特別会計国債も約1.9兆円減の約121.4兆円と、いずれも減少したが、借入金は約0.7兆円増の約55.1兆円と増加している。

 この「国の借金」919兆1511億円は、2010年度一般会計予算の歳出総額92兆2992億円の約10倍、同年度税収見込み額37兆3960億円の24.6倍である。年収500万円のサラリーマンが1億2300万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年1月1日時点での推計人口1億2737万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人あたりの借金は、昨年6月末時点の約710万円から約722万円に膨れ上がる。

 なお、わが国の公債残高(普通国債残高)は年々増加の一途を辿っており、2010年度末(当初予算ベース)の公債残高は、2009年度末実績での594兆円から637兆円程度に膨らむと見込まれている。これは、2010年度一般会計税収予算額約37兆円の約17年分に相当し、将来世代に大きな負担を残すことになる。また、この2010年度末公債残高の約637兆円は、国民1人当たり約500万円、4人家族で約1998万円となる。

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