政府は１月25日、「所得税法等の一部を改正する法律案」を閣議決定、同日国会に提出 した。例年より一週間以上速い提出となった。法案は全体で691頁に及び、所得税の一部改正（1頁～）、法人税法の一部改正（50頁～）、相続税法の一部改正（78頁～）、消費税法の一部改正（98頁～）、国税通則法の一部改正（125頁～）、租税特別措置法の一部改正（169頁～）となっている。
主な改正事項は、所得税関係では給与所得控除に上限を設定（給与収入1500万円超は一律245万円）、高額な法人役員等の給与に係る給与所得控除について、2000万円から控除額を縮減し、4000万円から２分の1（125万円）を上限、など。法人税関係では、法人税率を30％から25.5％へ4.5％引下げ（国・地方の法人実効税率で５％引下げ、中小法人に対する軽減税率を18％から15％へ３％引き下げる、など。
資産課税関係では、相続税の基礎控除を「5000万円＋1000万円×法定相続人数」から「3000万円＋600万円×法定相続人数」に引き下げ、相続税の最高税率を55％に引き上げるなど税率構造の見直し。消費課税関係で「地域温暖化対策のための税」を導入（石油石炭税にＣＯ２排出量に応じた税率を上乗せ）。納税環境整備で、納税者権利憲章の策定。租税特別措置について109項目を見直し、50項目を廃止または縮減など。施行は４月１日。
また、財務省は「2011年度租税及び印紙収入予算の説明」を国会に提出、予算額は一般会計分で40兆9270億円（対補正後予算額で１兆2840億円増）。税目別の予算額は、所得税が対補正後予算額12兆8080億円から6820億円増の13兆4900億円に、法人税は同７兆4890億円から3030億円増（改正法による増減収見込は4290億円の減収）の７兆7920億円に、相続税は１兆2710億円から同1520億円増の１兆4230億円を見込んでいる。
法律案は↓
http://www.mof.go.jp/houan/177/houan.htm
租税及び印紙収入予算額は↓
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/008a23a.pdf