2011年01月24日-2
税・社会保障の一体改革で有識者会議設置へ

 政府は19日午後、消費税を含めた税・社会保障の一体改革をめぐる関係閣僚会議の準備会合を開き、改革の推進に向けて関係閣僚会議とは別に、経済界や労働界などの有識者を交えた有識者会議を設置し、幅広い意見を募ることで一致した。これに先立ち、枝野幸男官房長官は、野党が要求する政府・与党案の提示よりも前に、与野党協議に入るべきだと表明、野党側に協力を求める姿勢をみせた。

 会合では、これからの役割分担について、改革案作りを与謝野馨経済財政担当相、与野党協議の窓口を玄葉光一郎国家戦略相、全体の統括を枝野長官と藤井裕久官房副長官が担当することを決めた。会合には与謝野、玄葉、枝野、藤井の各氏が出席した。今後、野田佳彦財務相や細川律夫厚生労働相が加わる関係閣僚会合の初会合を開き、本格的な議論を進めていく方針。

 枝野長官は、野党が与野党協議の前に政府・与党案の提示を求めていることに関し「一つの案を軸にすると議論しにくく、むしろ共通項を積み重ねていったほうが早く進む」と述べ、与野党が白紙で共通点を探る方法が望ましいとの立場を示した。一方、与謝野馨経済財政相も閣議後会見で、消費税を含めた税と社会保障の抜本改革について、政府・与党が6月までに改革案をまとめた上で、与野党協議に入る必要があるとの認識を示した。

 しかし、税と社会保障改革で与謝野経財相が全面に出ることで、野党側が攻撃の矛先を向けてくることは明らか。野党は、「民主党を倒すと言ってきた方が民主党につくのは国民の理解を得られない」と24日開会の通常国会において追及する構え。一方、民主党内からも、「消費税引上げの際は解散して信を問うべき」(海江田万里経産相)とまさに「内憂外患」の状態で、今後の成り行きが注目される。

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