2011年01月17日-3
住民税が非課税となる年間給与収入は100万円以内

 妻がパートで働いている場合、パート収入が103万円以下でほかに所得がなければ、妻は所得税がかからず、また、夫の控除対象配偶者となることはよく知られているが、意外に知られていないのが住民税の取扱いだ。例えば、パート収入がちょうど103万円で夫の配偶者控除の対象となっていたので、住民税(所得割)もかからないと思い込んでいたら、翌年になって住民税の納付書が届いて戸惑うケースがある。

 所得税の配偶者控除や扶養控除の適用範囲と住民税が非課税となるボーダーラインは微妙に違う。まず、所得税の控除対象配偶者や扶養親族の範囲は、合計所得金額が38万円以下の人だ。合計所得金額とは、給与収入のみの場合、給与収入から給与所得控除額(最低65万円)を差し引いた額のことをいう。給与所得控除額はいわば給与所得者の概算必要経費のことである。

 給与所得控除額は年間の給与収入が161万9千円未満までは一律65万円なので、38万円+65万円=103万円となり、給与収入が103万円以下であれば配偶者控除や扶養控除が受けられる。この場合、当然所得税は0円だ。そして、問題の住民税だが、東京都23区内に住む納税者を前提にみてみると、自身に控除対象配偶者や扶養親族がいなければ、合計所得金額が35万円以下だった場合には、住民税が非課税になる制度がある。

 つまり、給与所得控除65万円+35万円=100万円が、課税最低限の額となる。だから、年間のパート収入が103万円で所得税は非課税だったとしても、住民税は課税されてしまうわけだ。103万円でも100万円でも配偶者控除の対象となるが、住民税の非課税のことも意識して、収入の管理をする必要があろう。なお、パート収入が100万円以下であっても、市区町村によっては住民税(均等割)がかかる場合があるので留意したい。

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