2011年01月12日-2
国税庁の2011年度末定員は2人増の5万6263人

 国税庁の定員は、2010年度は21人の純増だったが、2011年度は2人の純増にとどまり年度末定員は5万6263人となることが、国税庁が発表した2011年度予算(案)の概要で明らかになった。同庁が税務行政の困難性や歳入官庁としての重要性などを強く訴えた結果、1067人の新規増員が認められたが、定員合理化計画に基づく合理化目標数(2011年度)が▲1065人であることから、2人の純増ながら5年連続増員となった。

 機構面では、「経済の国際化への対応」や「調査・徴収体制の充実強化」等のための機構の増設が認められている。例えば、経済の国際化への対応では、国税庁に企画専門官を3人増員するほか、東京国税局に主任国際情報審理官(仮称)を1名新設、大阪局に国際情報審理官、名古屋局に国際調査審理官を各1名増員することなどが認められ、国際的租税回避スキームの解明や情報収集及び海外資産等の把握に努める。

 調査・徴収体制の充実強化としては、コンプライアンスの維持・向上のために東京国税局に調査第四部次長を新設するほか、関東信越・名古屋・大阪の3国税局に審理専門官を各1名設置、仙台・熊本の両国税局に統括国税調査官を各1名設置、東京局に査察機動専門官を1名設置する。また、全国の税務署全体で、特別国税徴収官が6名、特別国税調査官が19名、審理専門官が4名それぞれ設置される。

 そのほか、昨年の定期異動から設置された専門職スタッフとして、今年度も国税庁に相互協議支援官(仮称)、酒類国際技術情報分析官(同)が設置される。また、国税局の税理士管理官の下に税理士専門官(同)を全国の税務署に30名設置して、税理士の不正行為やニセ税理士への対応を図るほか、源泉所得税事務の一層の効率化のため設置されている「源泉所得税事務処理集中センター室」が熊本国税局にも設置される。

 なお、国税庁の2011年度予算は前年度を21億1800万円(0.3%)上回る7185億4100円となった。主な経費をみると、KSK(国税総合管理)システムや国税庁情報ネットワーク運用経費などの「情報化経費」が対前年比10.4%減の413億6900万円、e-Tax(電子申告)運用経費や、ITによる納税者への情報等提供経費などの「納税者利便向上経費」が同9.3%減の124億5300万円などとなっている。

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