2011年01月12日-1
相続税の葬式費用と認めた2回に分けて行った告別式

 2010年3月に死亡した被相続人甲の告別式を、甲の死亡時の住所地であるA市と甲の出身地であるB市の2ヵ所で行った場合の葬儀費用について、A市及びB市での告別式に要した費用のいずれも相続税法第13条第1項第2号に規定する葬式費用に該当すると解して差し支えないかとの文書照会で、名古屋国税局はこのほど、いずれも葬式費用に該当する旨回答していたことが分かった。

 相続または遺贈により財産を取得した者が相続税のいわゆる無制限納税義務者(相続税法第1条の3第1号または第2号の規定に該当する者)である場合、その相続または遺贈に係るその者の相続税の課税価格に算入すべき価額は、その者が相続または遺贈により取得した財産の価額からその被相続人に係る葬式費用のうちその者が負担の属する金額を控除した金額となる(相法13-1)。

 これは、被相続人に係る葬式費用は相続開始時に現存する被相続人の債務ではないが、相続開始(被相続人の死亡)に伴う必然的出費であり、社会通念上も、いわば相続財産そのものが担っている負担ともいえることを考慮し、相続税の無制限納税義務者については、相続財産の課税価格の計算上相続または遺贈によって取得した財産の価額から、葬式費用を控除することとしたものであるとされている。

 A市での告別式は、甲の職場や近所の方が焼香等を行う仏式により行われ、B市での告別式もA市のみで告別式を行うとB市の知人等が告別式への参列とが困難となるなど参列者の便宜等を考慮したもので、A市での告別式と同様であることから、死者の追善供養のため営まれる法会(法事)ではなく、死者を葬るために行われた儀式と考えられ、いずれも、相基通13-4(葬式に際し要した費用)に該当すると解釈、名古屋局もこれを認めた。

 同回答の全文は↓
 http://www.nta.go.jp/nagoya/shiraberu/bunshokaito/sozoku/101105/01.htm#besshi1

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