2011年01月05日-1
納税者権利憲章は12年中に準備、13年1月1日公表

 2011年度税制改正における納税環境整備の一環として議論されてきた「納税者権利憲章」の制定は、2012年度中に準備を進めた上、2013年1月1日に公表されることとなった。国税の税務執行については、行政手続法の適用が除外され、国税通則法によって納税の義務という側面からのみ規定されてきたが、国税通則法を改正し、税務行政において納税者の権利利益の保護を図る趣旨を明確化する。

 具体的には、(1)税務調査における事前通知(通知対象者、開始日時・場所・目的・対象税目・課税期間等の通知内容、通知方法などを規定)、(2)税務職員による質問検査権(所得税法や法人税法などの各税法の関連規定を集約)、(3)税務調査終了後における調査内容の説明(更正・決定等すべきと認められる場合について、調査結果(非違の内容、金額、理由)等の説明)、などの各種税務手続の明確化について国税通則法に規定を集約する。

 また、「税務調査において申告内容に問題がある場合の修正申告等の勧奨」、「税務調査における終了通知」、「税務調査において納税者から提出された物件の預かり・返還等に関する手続」、「更正の請求期間の延長」、「更正の請求における『事実を証明する書類』の添付の義務化」、「内容虚偽の更正の請求書の提出に対する処罰規定」、「処分の理由附記」などの税務手続きも含め、複雑な税務手続を平易に表現するとしている。

 さらに「憲章」に記載すべき項目として、(1)納税者の自発的な申告・納税をサポートするため、納税者に提供される各種サービス、(2)税務手続の全体像、個々の税務手続に係る納税者の権利利益や納税者・国税庁に求められる役割・行動、(3)納税者が国税庁の処分に不服がある場合の救済手続、税務行政全般に関する苦情等への対応、(4)国税庁の使命と税務職員の行動規範、を挙げている。「憲章」は、国税庁長官が作成し、公表する。

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