2010年12月27日-1
11年度税制改正は国税が初年度3061億円の減税

 2011年度税制改正によって、国税は初年度3061億円(地方税も含めると3065億円)の減税、平年度は646億円(同318億円)の減税になることが、財務省が発表した増減収見込額で分かった。2011年度税制改正では、法人税の基本税率5%引下げによって、初年度8076億円、平年度1兆2194億円の減収が見込まれる。これらの減税分のほとんどは、個人所得課税や相続税などの資産課税の大幅な増税で賄われることになる。

 法人課税は、法人税の基本税率の引下げのほか、中小企業者等の軽減税率の引下げなどの政策減税(初年度402億円、平年度1139億円)がある一方、減価償却制度の見直し(同1164億円、1780億円)、欠損金の繰越控除制度の見直し(同1430億円、1788億円)などの課税ベースの拡大等による増税分、初年度4386億円、平年度5849億円などを差し引いても、平年度4284億円、平年度7758億円の減税となる。

 一方、個人所得課税では、給与所得控除の見直し(初年度203億円、平年度1194億円)や成年扶養控除の見直し(同132億円、823億円)、退職所得課税の見直し(同21億円、94億円)などで、初年度は358億円だが、税制改正が完全実施となる平年度は2162億円の増税となる。加えて、来年1月からは2010年度改正で決まった年少扶養控除の廃止などによる増税(年約6000億円)が始まり、個人の負担感は高まりそうだ。

 資産課税では、相続税の基礎控除の引下げが初年度785億円、平年度は2355億円の増税。加えて、死亡保険金に係る非課税制度の見直し(初年度114億円、平年度341億円)や相続税の税率構造の見直し(同83億円、250億円)などがあり、贈与税の税率構造の緩和(初年度・平年度とも21億円)や相続時精算課税制度の適用用件の見直し(同92億円)などの減税を差し引いても、資産課税は平年度876億円、平年度2827億円の増税となる。

 平成23年度の税制改正による増減収見込額は↓
 http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/23kaisei/23zougenshuu.pdf

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