2010年12月24日-3
すべての白色申告者に記帳・帳簿等保存を義務付け

 2011年度税制改正では、納税環境整備の一環として、すべての処分について、原則として2012年1月から理由附記が実施されるが、個人の白色申告者に対する更正等に係る理由附記については、記帳・帳簿等保存義務の拡大と併せて実施する。具体的には、現行、個人の白色申告者については、確定申告を行った所得が300万円超の者に限定されている記帳・帳簿等保存義務が、2013年1月からすべての白色申告者に適用される。

 個人の白色申告者に対する更正等に係る理由附記については、「確定申告を行った所得300万円超の白色申告者」は2012年1月以後、理由附記を実施するが、それ以外の者については、1年後の2013年1月以後、理由附記を実施するとともに、記帳・帳簿等保存義務を課す。ただし、特例として、2007年から2011年分までの各年分の所得税につき記帳義務があった者は、2012年1月以降理由付記を実施する。

 現行税法上、青色申告者に対しては、その帳簿の記載を無視して更正されることがないことを納税者に保障する観点から、更正処分を行うときは理由附記しなければならないとされている一方、白色申告者に対する理由附記の規定はなかった。今後、理由附記実施との見合いで記帳・帳簿等保存が義務化されるわけだ。記帳の程度については、「確定申告を行った所得300万円超の白色申告者」と同程度の記帳・記録保存義務としている。

 なお、白色申告者の記帳義務化に伴い、税制改正大綱では、(1)必要経費を概算で控除する租税特別措置のあり方、(2)正しい記帳を行わない者の必要経費の控除のあり方、(3)白色申告者の記帳水準が向上した場合における現行の(白色申告者に認められている)専従者控除について、その専従の実態等を踏まえた見直しのあり方、の3点が今後の検討事項として提案がなされている。

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