2010年12月16日-3
2009年中相続税の課税割合は6年連続最低の4.1%

 国税庁が14日に発表した2009年分相続税の申告事績によると、2009年1年間に亡くなった人は約114万人だったが、このうち相続税の課税対象となった人数は約4万6千人で、課税割合は4.1%だった。相続で税金がかかるのは100人に4人という状況が続いている。この課税割合4.1%は前年分(4.2%)からほぼ横ばいの数字だが、直近において基礎控除額の引上げなどがあった1994年分以降では6年連続の最低水準となっている。

 相続財産額の構成比は、「土地」が49.8%と半数を占め、「現金・預貯金等」22.2%、「有価証券」12.1%の順。土地の構成比は、地価の下落を背景に、1994年分(70.9%)から一貫して減少していたが、2008年分から2年連続で上昇した。しかし、相続財産に占める割合が高い土地の評価はいまだ低迷しており、相続財産の課税価格が基礎控除額(「5000万円+1000万円×法定相続人の数」)内でおさまるケースが多いことになる。

 ちなみに、路線価の基礎となる標準宅地の平均額の推移は、年々減少をたどり、2009年は10.0%上昇した前年から一転して▲5.5%と4年ぶりに下落し、1平方メートルあたり13万7千円となり、1平方メートルあたり25万6千円だった1994年を100とすると、54とかろうじて半数を超えた低水準に落ち込んでいる。もっとも、100とした1994年でも課税割合は5.2%だから、もともと相続税の課税割合は低いともいえる。

 2009年中の相続に係る課税価格は、10兆959億円(対前年分比5.9%減)、これを被相続人1人あたりでみると、2億1744万円(同2.7%減)。また税額は、1兆1632億円(同7.0%減)、これを被相続人1人あたりでみると、2505万円(同3.8%減)となる。なお、2011年度税制改正においては、相続税の基礎控除の引下げなどが予定されており、適用は2012年4月からだが、実現すれば課税割合もやや上昇しそうだ。

 2009年分の相続税の申告状況は↓
 http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2010/sozoku_shinkoku/shinkoku.pdf

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