2010年12月15日-1
国税庁が地方公共団体に賠償金を支払ったケースも

 財務省がまとめた決算検査報告掲記事項是正処理状況によると、2008年度に国税庁関係で租税の徴収不足や職員の不正行為により是正処理を行ったのは、指摘金額にして11億1641万7496円で、このうち9175万2900円については是正の方法がない旨処理されていることが分かった。同年度では、「租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったもの」が2件発生し、1件が支払済となったものの、1件は1390万2700円の不足が残った。

 「給与計算に関する事務が適切に行われなかったため、源泉所得税が納付不足となり不納付加算税及び延滞税を支払う結果となっているもの」は1件(8655万6100円)、「所得税に係る課税額等の訂正に関する書類を作成せず、住民税の賦課徴収を行う地方公共団体に対する当該訂正の周知が遅延したため、当該地方公共団体に損害を与え賠償金を支払う結果となっているもの」は1件(519万6800円)発生、いずれも是正の方途がなかった。

 同年度中に「職員の不正行為による損害が生じたもの」はなかったが、2007年度に4件発生した。不正行為の内容は不明だが、その総額は3億4311万6142円で、2億3331万7593円が未済になっている。財務省・国税庁では、「職員の不正行為による損害が生じたものについては、債務者等の資力を踏まえた上で、法令等の規定に基づき、是正措置を適正かつ円滑に行い、事態の是正を図っている」としている。

 さらに、「租税の徴収に当たり徴収額に不足があったもの」はすべて徴収決定の処置を完了、未納分は、他の納税者と同様、納税者個々の実情を踏まえた上で、法令等の規定に基づき、厳正・的確な対応に努めている、としている。過去には「地方税の滞納に基づく債権差押えをされていた還付金等を法人に支払ったため、差押債権者である地方公共団体に更に還付金を支払うこととなるなどして損害が生じた」ケースもあった(2002年度)。

 この件の詳細は↓
 http://www.mof.go.jp/jouhou/kaikei/zesei/zesei221209.pdf

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