2010年11月22日-2
税務調査日数が長期化傾向~東京税理士会の調査

 東京税理士会(山川巽会長)が1968年からほぼ毎年行っている「税務調査・書面添付アンケート調査」の2010年度結果がまとまった。税務調査について、税理士法第34条規定の関与税理士への「調査の通知」の実施状況、調査の内容、調査担当官の対応及び税務行政に対する意見・要望などを同会会員に聞いた。支部別に6000会員を無差別抽出、1474会員から有効回答を得た(有効回答率24.6%)。

 調査結果によると、税務調査件数は2516件で、有効回答数からみて1回答者(法人)平均で1.7件(前回2.9件)の調査があったことになり、ここ3年間では最少だった。また、調査件数なしの回答は676通あり、うち関与先に調査がなかったのが590件。その他関与先がない74件、不明12件。法人税調査は2002件(前回3136件)あり、うち所得税の確定申告期に行われたものは98件で、4.9%(前回比0.1%減)となっている。

 調査件数2516件から調査通知について無記入・不明の100件を引いた2416件のうち、事前通知のあったものは2272件で94.0%(前回比4.0%減)、このうち調査通知が税理士にあったものは2080件で86.1%(同8.0%減)だった。調査通知については、事前通知がほぼ行われているといえるが、引き続き税理士法第34条の規定の趣旨を徹底し、完全励行するよう、税務当局に強く要請すべきであろう、としている。

 調査日数について、「1日」で終了したものは、日数が明記してあるもの2357件のうち、516件で21.9%(前回比1.9%減)、「2日」で終了したものは、1125件で47.7%(同4.5%減)と、合計で約7割となっている。一方、「3日~4日」が431件で18.3%(同1.6%増)、「5日以上」が285件で12.1%(同4.8%増)と、税務調査日数は長期化傾向にある。特に5日以上の割合は過去3年間と比べもっとも高い数字となった。

 調査結果については、内容記入のあった2417件のうち、「申告是認」が593件で24.5%(前回比1.0%減)、「修正申告」は1759件で72.8%(同0.6%減)、「更正」は65件で2.7%(同1.6%増)。また、修正申告及び更正1824件のうち、重加算税処分となったものは281件で22.8%(同1.1%増)だった。今回の調査で、申告是認のうち書面で通知があったものは、59件で9.9%(同1.6%増)と、ここ3年間横ばい状態が続いている。

ウィンドウを閉じる