2010年11月15日-3
役員給与に係る給与所得控除のあり方等を検討

 税制調査会(会長:野田佳彦財務相)は9日に第8回会合を開き、「民主党の重点要望」について検討するとともに、個人所得課税、保険年金、国際課税、環境関連税制について検討した。特に個人所得課税については、役員給与に係る給与所得控除についての見直しの視点及び見直しのイメージについて検討した。また、退職所得課税の見直しの視点についても議論している。

 給与所得控除には上限がなく、2010年度税制改正大綱では上限設定が検討課題とされており、また、(1)給与所得者の必要経費が収入の増加に応じて必ずしも増加するとは考えられない、(2)家計調査からみた勤務関連費は、給与所得税額の最低補償額(65万円)よりも少ないこと(平均36万円)、(3)主要先進国における概算控除は、定額あるいは上限があり、しかも日本の給与所得控除に比べ低い水準にある、とされている。

 このため、「中高所得の給与所得者については、上限設定を行い、一定の負担を求めるべきではないか」との意見が多数を占めている。また、役員給与に係る給与所得控除のあり方については、一般的に上限設定することに加え、「勤務費用の概算控除」と「他の所得との負担調整」があるといわれる同控除のうち、「他の所得との負担調整」を認める必要性は薄れているとの指摘もなされた。

 さらに、役員のなかでも、いわゆる一人オーナーにつては、その給与は法人の事業収入の分割としての性格があるといった特殊性や、2010年度税制改正大綱を踏まえれば、さらなる見直しを図るべき、とされた。退職所得課税については、特に「2分の1課税」問題が取り上げられ、短期間のみ在職する役員等の退職金については、2分の1課税を見直す必要はないか、との指摘がなされた。

 関係資料は↓
 http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/22zen8kai.html

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