2010年11月11日-1
「中小企業の会計」を「知っている」企業は42%

 「中小企業の会計」とは、中小企業が計算書類の作成にあたって拠ることが望ましい会計処理や注記等を示した「中小企業の会計に関する指針」などの中小企業の会計ルールに関する事項を総称するもの。中小企業庁が9日に発表した「2009年度中小企業の会計に関する実態調査」結果(有効回答数:中小企業2010社)によると、「中小企業の会計」について何らかのことを「知っている」と回答した企業は、前年調査から0.4ポイント減の42.0%となった。

 「中小企業の会計」について知っていることは、「内容について、ある程度理解している」が37.0%、「策定されたことを知っている」が21.2%など。一方、「何も知らない」企業が41.5%を占めており、約4割の企業は「中小企業の会計」を知らない。「中小企業の会計」を知ったきっかけ(複数回答)は、「税理士を通じて知った」が40.3%でトップ、次いで「金融機関」(28.8%)、「中小企業庁等のホームページ」(16.5%)、「新聞・雑誌」(14.5%)などの順だった。

 「中小企業の会計」の普及には税理士の役割が大きそうだが、税理士意識アンケート結果(有効回答数296人)では、「中小企業の会計」をクライアントに「勧めている」との回答は48.8%、「今後勧めたい」が35.1%と前向きな姿勢が多い。勧める理由(複数回答)は、「信用保証協会や金融機関の優遇商品の活用に必要」(67.6%)、「経営者による自社の財務状況の適切な把握に有効」(63.4%)、「金融機関からの信用力強化に有効」(63.4%)、などが挙げられた。

 なお、「中小企業の会計に準拠して計算書類の作成」と回答した企業は一部準拠も含め45.1%で、47.7%の企業が「税理士等に一任しているので分からない」としている。準拠して計算書類の作成をしたことによる効果(複数回答)は、「自社の実態が明らかになり、経営判断が行いやすくなった」が54.1%、「金融機関からの評価(信用力)が上がった」が36.2%となっており、税理士が「中小企業の会計」を勧める理由を裏付ける結果となった。

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