2010年11月10日-3
「欠損金の繰越控除制限」で東京税政連が緊急要望

 2011年度税制改正で法人税率5%引下げの財源候補として「欠損金の繰越控除の50%適用制限」が浮上しているが、東京税理士政治連盟(内藤信子会長)は4日、「中小企業を狙い打ちするものであり到底容認できない」として、税制調査会会長である野田佳彦財務相に対し「法人税率引下げの代替財源としての欠損金の繰越控除制度の制限は慎重に!」とする緊急要望を提出した。

 同要望によると、「中小企業においては、今期黒字に転換し、やっと長い赤字から脱却し『さあこれからだ』という時に、過去の赤字について今期課税利益の半分しか控除されず、あとの半分については『税金を払え』ではこれまでに傷んだ体を癒す間もなく、また走り出せと言っているようなもので、到底走れるものではない」と、安易な代替財源構想に反対の姿勢を強く示している。

 さらに同政治連盟では、「成長力を高めるための法人税率引下げが、特に力のない中小零細企業にとって、その財源のためになお疲弊しかねないものとなっている。政府税制調査会においても減税即財源ではなく、長期的視点に立ち企業の成長を待って財源にすべきである。その間は、歳出(経費)の節減によって賄うのがセオリーである」と、慎重な対応を求めた。

 また、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づき設立された法人のうち、所得税法施行令第73条第1項の「特定退職金共済団体」であって法人税法第2条の九の二に定める「非営利型法人」が支払いを受ける所得税法第174条各号に掲げる利子等に係る源泉所得税を非課税とする旨も要望した。東京税理士事務所職員退職金共済会(高畑公一理事長)が、厚生労働省の税制改正要望に対する意見募集に既に提出している。

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