2010年10月28日-2
法人の黒字申告割合は過去最低の25.5%

 国税庁が25日に発表した2009事務年度の法人税の申告事績によると、今年6月末現在の法人数は前年度に比べ0.1%(4千法人)減の299万8千法人で、うち今年7月までの1年間に申告したのは、同0.7%(1万9千法人)減の278万6千法人だった。その申告所得金額は同10.9%(4兆1564億円)減の33兆8310億円、申告税額の総額も同10.1%(9781億円)減の8兆7296億円と、ともに1割程度減少した。

 前年度から申告事績の集計対象期間を「4~3月決算ベース」(従来は「7~6月申告ベース」)に変更しているが、申告所得金額、申告税額ともに3年連続の減少となる。この結果、法人の黒字申告割合は25.5%と、前年度に比べ3.6ポイント減少しており、初めて30%を割り込んで過去最低となった前年度をさらに下回った。景気後退で製造業や卸売業を中心に企業業績が大きく悪化したことが要因とみられている。

 法人の黒字申告割合は、過去最高だった1973年度(65.4%)の半分にも満たない低い数字が17年も続いている。黒字法人の申告所得金額も減少となったが、黒字申告1件あたりでは4759万円で前年度に比べ2.3%の微増となった。一方、申告欠損金額は、ピークの2002年度(33兆116億円)に迫る勢いだった昨年度からは11.5%減の27兆3632億円となった。赤字申告1件あたりの欠損金額は同15.2%減の1319万円だった。

 なお、2009事務年度における源泉所得税額は12兆2973億円で、前年度に比べ12.7%(1兆7838億円)減と、3年連続で減少した。これは、主に「給与所得」の税額が同9.6%(9081億円)減の8兆5702億円、「配当所得」が同31.7%(6564億円)減の1兆4154億円と減少したことによるもの。そのほか、「利子所得」は同14.1%(1016億円)減の6199億円、「報酬料金等所得」は同1.1%(133億円)減の1兆1477億円などとなっている。

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