2010年10月27日-1
2009年度中に税関が98件の関税・消費税反則を摘発

 財務省はこのほど、2009事務年度(09年7月~10年6月)に、全国の税関が輸入品の関税及び消費税ほ脱(偽りその他不正により関税・消費税を免れる行為)に係る犯則調査の結果をまとめた。同事務年度中に109件の関税・消費税ほ脱事犯に係る反則調査に着手。また、同事務年度中に反則調査を終了し処理(検察官への告発または税関長による通告処分)した件数は98件(前事務年度54件)で、うち10件(同1件)が告発された。

 同事務年度中に処理した98件に係る関税・消費税ほ脱額は、総額で80億9749万円(関税78億6627万円、消費税2億3121万円)。前事務年度の3692万円に比べ実に約219倍にのぼる大幅増加となった。うち、告発分は80億4614万円(関税78億5775万円、消費税1億8839万円)で、前事務年度の471万円から約1707倍に膨れ上がった。前事務年度は、告発分の関税のほ脱額は0(ゼロ)だった。

 反則調査は、輸入事後調査とは別に、不正な手段により故意に関税・消費税を免れた納税義務者(輸入者)に対して、不足税額を課すほかに、そうした反社会的行為に対して刑事責任を追及するため、犯罪捜査に準ずる方法でその事実の解明を行う調査。関税・消費税のほ脱事犯に係る反則調査は、大口・悪質な脱税者の刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正かつ公平な課税を実現するという重要な使命を担っている。

 ほ脱事例では、チリから冷凍豚肉を輸入するにあたり、実際の取引価格よりも高価に偽って申告し、関税約45億4000万円を不正に免れていた事例がある。また、中国からこんにゃく粉を輸入するにあたり、品名・数量を偽って、関税約4500万円を免れようとしていた例も。消費税関係では、香港及びオーストラリアから帰国する際に、金地金を税関に無申告で携帯輸入して、消費税約1億5700万円を免れていた例もあった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.mof.go.jp/jouhou/kanzei/ka221019a2.htm

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