2010年10月25日-3
適用法律で還付加算金に差~会計検査院が指摘

 法人税及び消費税の更正に基づく還付金に係る還付加算金が、国税通則法による起算日と各税法による起算日との計算根拠の違いにより大きく変わることが会計検査院の調査で分かった。検査院が過去2年間に行った更正に基づく還付金等の支払件数及び支払額の調査で把握した266法人の還付金が、国税通則法に基づく起算日を適用していれば10億6509万余円節約できたことが判明、財務大臣に是正を求めた。

 中間納付額の還付金は、中間納付額の納付日の翌日、所得税額等及び仕入税額の還付金は確定申告書の提出期限の翌日とされ、税務当局が更正に基づき還付金の発生を認識する日より前の日まで遡って設定されている。一方、申告納税額の過誤納金に対する還付加算金の起算日は、更正の請求があった日の翌日から起算して3月を経過する日とその更正があった日の翌日から起算して1月を経過する日とのいずれか早い日の翌日となる。

 このため、還付加算金を計算するための起算日は、国税通則法を適用した場合より法人税法、消費税法等を適用したほうが計算期間が長くなり、還付加算金も増加する。そこで、先の調査に基づき中間納付額等の還付金に係る還付加算金18億3405万余円について、確定申告後における還付加算金の計算期間を申告納税額の過誤納金に係る還付加算金の計算期間と同様にして修正計算すると、10億6509万余円節減できたと認められた。

 検査院では、確定申告により確定した法人税及び消費税が更正に基づき中間納付額等の還付金として還付される場合における還付加算金の計算期間に税務当局が還付金の発生を認識できないなどの期間が含まれているため、還付加算金が多額に支払われていて、申告納税額の過誤納金に係る還付加算金の場合と均衡を欠いている事態は適切とは認められず、改善の要があるとして、財務大臣に是正を求めている。

 会計検査院の意見全文は↓
 http://www.jbaudit.go.jp/pr/media/kensa/kensa22/pdf/20101020_zenbun_2.pdf

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