2010年10月25日-2
輸入事後調査で1980億円の関税・消費税を追徴

 財務省はこのほど、2009事務年度(09年7月~10年6月)に全国の税関が輸入者に対して行った事後調査(輸入貨物に係る関税・消費税が適正に申告納税されていたかを調査)結果をまとめた。同事務年度中に6204者の輸入者を調査した結果、うち70.2%の4356者から申告漏れを把握、申告漏れ課税価格は1980億4368万円、これに対する追徴税額は145億2577万円にのぼった。申告漏れ件数、追徴税額はいずれも過去最高だった。

 輸入事後調査は、輸入貨物の通関後における税関による税務調査のことで、輸入貨物に係る納税申告が適正に行われているか否かを事後的に確認し、不適正な申告は是正するとともに、輸入者に対する適切な申告指導を行うことにより、適正な課税を確保することを目的に行われる。貨物の輸入通関後、輸入者の事業所等を個別に訪問して輸入貨物についての契約書、仕入書その他の貿易関係書類を調査するもの。

 納付不足税額の多い上位5品目をみると、「電気機器」の26億2766万円、「調製食糧品」の16億7342万円、「機械類」の12億5903万円と続く。申告漏れ事例では、中国の輸出者から集積回路を輸入している輸入者Aが、輸入貨物の製造に必要な材料を無償提供していたケースがある。本来、この無償提供した材料は課税価格に含めるべきものだったが、課税価格に含めていなかった。申告漏れ課税価格は65億3500万円にのぼった。

 また、輸入者Bは、フィンランドの輸出者から通信機器などを輸入しており、輸出者との取り決めにより、国内での売上実績などに応じて取引価格を見直し、遡及して価格調整を行い、調整金を別払いしていた。本来、この別払いした調整金は課税価格に含めるべきだったが、Aは課税価格に含めずに申告していた。調査では、その他の申告漏れも確認、申告漏れ税課税価格は35億1400万円、追徴税額は約1億9300万円に達した。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.mof.go.jp/jouhou/kanzei/ka221019b2.htm

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