2010年10月18日-2
空前の駆け込み需要、9月のたばこ売上1.8倍

 日本たばこ協会が12日発表した紙巻きたばこの月次販売実績によると、9月は374億本となり、前年同月の1.8倍も増加したことが明らかになった。販売代金も1.8倍の5671億円に達し、2007年1月の月次動向発表以降では数量・金額ともに過去最高を記録した。これは、10月1日からたばこ増税が実施されたことで、主要なたばこが100円以上の大幅値上げをされる前に買いだめする動きが強まったことが要因。

 協会によると、前回2008年7月の増税では、前月6月の販売数量の伸び率が46.5%増だったほか、2003年7月の値上げでは、前月6月は48.7%増の伸びだった。今回は、過去最大の値上げを受けて、愛煙家の空前の駆け込み需要となった。10月のたばこ増税では、1本当たり3.5円増税された。日本たばこ産業(JT)を始めとするたばこメーカー各社は、大幅な増税に伴うたばこ離れに対応するため、増税額を上回る値上げを実施。

 ちなみに、JTの人気銘柄、マイルドセブンは110円アップの410円になった。たばこ税は、「たばこ税法」により、製造たばこの製造者はその製造場から移出した製造たばこについて、また製造たばこを保税地域から引き取る者は、その引き取る製造たばこについて、納めることが義務付けられた税。たばこ税には、国たばこ税、地方たばこ税(都道府県たばこ税・市区町村たばこ税)、たばこ特別税の3種類がある。

 たばこ1箱(20本入り/410円)あたりに換算すると、その税額は、264.4円となっており、定価の約65%を占める。単一商品としてはもっとも税負担が高い(例えば、ビールは42.9%、ウイスキー24.5%、ガソリン46.8%)。2008年度には、総額で2兆1194億円(国たばこ税8509億円、地方たばこ税1兆716億円、たばこ特別税1970億円)が税金として納められている。

 紙巻たばこ月次販売実績は↓
 http://www.tioj.or.jp/data/pdf/101012_01.pdf

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