2010年09月16日-2
経団連、消費税の拡充・法人税率の引下げなど要望

 日本経団連は14日、2011年度税制改正に関する提言を発表し、消費税の拡充や法人税負担の軽減を求めた。消費税を一刻も早く引き上げ、法人税への過度な依存を改め、社会保障給付を始めとする中長期的な歳出の増大に対応できる税体系を構築すべく、税制抜本改革に関する超党派の議論を速やかに開始し、国民の理解と納得を得て、一刻も早く税制抜本改革を断行する必要があると訴えた。

 消費税の拡充については、社会保障費用の増加分には消費税の引上げによって対応するとの原則を確立し、景気動向に注視しつつ、速やかにかつ段階的に(例えば毎年2%ずつ引上げ)、少なくとも10%まで引き上げ、その後も、安心で持続可能なセーフティネットを確立するため、2020年代半ばまでに、消費税率を欧州諸国並みの10%台後半、ないしはそれ以上に引き上げていかざるを得ないとの考えを示した。

 法人税負担の軽減については、「税率を段階的に引き下げる」とした「新成長戦略」の必須の柱として、少なくとも法人税率5%の引下げを先行的に行うとともに、早期に法人実効税率を30%まで引き下げることを求めた。税負担の実質的な軽減により、企業の国際力が向上、内外からの投資意欲も増大して、企業の海外移転の動きにも抑止効果が働く結果、国内雇用の維持・増加につながると指摘している。

 そのほか、社会保障・税共通の番号制度について、各種給付や減税措置を適切・効率的に行うと同時に、公平・適正な所得把握の実現のため、2011年度税制改正で成案を示し、早期に導入することも要望。同制度導入により、消費税の逆進性対策を始め、所得や家族構成に応じた給付付き税額控除といった社会保障と税を融合させたきめ細かい制度設計が可能になり、また、金融所得課税の一体化の推進にもつながるとしている。

 同提言の全文は↓
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/078/honbun.pdf

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