2010年09月08日-1
「参加型社会保障構築」へ厚労省が税制改正要望

 厚生労働省が発表した2011年度税制改正要望によると、これまでの「消費型・保護型社会保障」を転換し、広く国民全体の可能性を引き出す「参加型社会保障(ポジティブ・ウェルフェア)」の構築を目指し、(1)いきいきと働く、(2)地域で暮らし続ける、(3)格差・貧困を少なくする、(4)質の高いサービスを利用する、を4本柱に、先に政府が掲げた「新成長戦略」に沿った要望を行っている。

 まず、新たな次世代育成支援のための包括的・一元的な制度の構築のための税制上の措置として、現在の子ども・子育て支援対策を再編成し、幼保一体化を含め、制度・財源・給付について、包括的・一元的な制度を構築し、社会全体で子どもと子育てを支える体制を実現するために、新システムの子ども・子育て支援対策について税制上の措置を求める。所得税、法人税、個人住民税、法人住民税、不動産取得税、固定資産税等が関連する。

 また、譲渡所得に関する特別控除の特例の障害者通所サービス等への範囲の拡充で、障害者自立支援法に基づくサービス用地のための土地の譲渡について、これまで、第1種社会福祉事業入所サービス、第2種社会福祉事業保育所・老人デイサービスセンター等への譲渡は収用証明書がなくても控除が受けられるが、収用証明書がなければ受けられなかった第2種社会福祉事業通所サービスやグループホーム等も適用できるよう要望。

 このほか、医業継続に関する相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の創設、事業主が存在しない等の理由により企業年金等に移行できない適格退職年金に関する税制優遇措置の継続、試験研究費の総額に関する税額控除制度の拡充などを要望している。なお、2011年度以降の「子ども手当」に関する税制上の措置については、2011年度の予算編成過程での検討を踏まえて講じるとしている。

 同厚労省の2011年度税制改正要望の概要は↓
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000nwfd-img/2r9852000000nwhw.pdf

ウィンドウを閉じる