2010年08月30日-1
拡充された中小企業等基盤強化税制

 青色申告書を提出する特定中小企業者等が、1987年4月1日から2011年3月31日までの期間内に、新品の事業基盤強化設備を取得等し、事業の用に供したときは取得価額の30%相当額の特別償却を行うことができる。また、一定の特定中小企業者等については、特別償却に代えて取得価額の7%相当額の税額控除(当期の法人税額の20%相当額を限度)を選択適用することができる。これが、中小企業等基盤強化税制である。

 この中小企業等基盤強化税制について、2010年度税制改正で、対象から特定旅館業を営む大規模法人(資本又は出資の金額が1億円を超える法人、資本又は出資を有しない法人のうち、常時雇用する従業員が1000人を超える法人)が除外された。これに対し、資本金1億円以下の中小企業者(資本金1億円超の法人の子会社を除く)による仮想化ソフトウエア等を含む情報基盤強化設備の取得も対象に加えられた。

 仮想化ソフトウエアとは、一つのサーバで複数のオペレーティングシステム(OS)を動かせるようにすることで、従来十分に活用されていないサーバのCPU(データの計算、処理を行う演算装置)について、有効活用を可能にするソフトのこと。これまで、一つのサーバに一つのOSしか導入できないため、サーバに十分な指示を出せず、活用されないCPUが多く発生していた。

 適用対象資産の取得価額の要件は、機械装置は「1台又は1基の取得価額が280万円以上のもの」、器具備品は「1台又は1基の取得価額が120万円以上のもの」が対象になる。計算内容は特別償却の場合、取得価額×30%を通常の減価償却額に加えて償却できる。また税額控除は取得価額×7%を税額控除。当期の法人税額の20%が限度で、限度超過額は翌事業年度に繰り越すことができる(1年限り)ので、活用したいところだ。

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